ゴールデンウィークの合間の平日、表参道駅から歩いて10分弱の場所にある、根津美術館へ行ってきました。住所的には東京都港区南青山です。
自分は以前、根津美術館は根津駅(東京都文京区)の近くにあると思っていたのですが、実は根津嘉一郎という実業家のコレクションを展示するために設立された私立美術館なので根津美術館というのだそう。
2009年に新しくなった本館の建物は隈研吾・設計。
↑入ってすぐの所にこんなものを発見。これは石船で、根津家へ訪れる人のための道しるべだったとか。美術館の改築にあわせて、蹲にしたのだそうです。
↑竹が壁になっているかのようなこの通路、テレビでは何回も見た事があり、ずっと行ってみたいと思っておりました。
↑タケノコ?を発見。食べるにはもう育ちすぎかも?
↑今回の目的は根津美術館の所蔵品、国宝・尾形光琳作「燕子花図」を見るためでした。この絵の切手、家にあったような気が・・。
この作品は毎年、この時期に公開されているようです。国立博物館で観た「風神雷神図」もそうですが、国宝だと年に8週間しか展示してはいけないとか、決まっていたりします。
↑購入したポストカード。これは鈴木其一の「夏秋渓流図」。
個人的には燕子花図よりも好きだったりします。水の表現がちょっと変わっているというか。
↑藤花図と燕子花図(部分)のカードも買いました。
燕子花図は間近でみると、びっくりするくらい描きこんでいない、わりとべたっとした絵という印象。ちょうどこの日の夜、放映していたBS日テレ「ぶらぶら美術・博物館」によると、この絵は伊勢物語の八橋の一場面ではないかと言われているそうです。風神雷神図と同様に、尾形光琳に倣い酒井抱一も燕子花図を描いています。酒井作品はGWの後、出光美術館(有楽町)で観られるようです。
追記:同じ燕子花の絵でも、厳密にいうと5月〜6月に出光美術館で観られる、酒井抱一の「八ッ橋図屏風」は尾形光琳の「八ッ橋図屏風」(メトロポリタン美術館・蔵)を倣って描いたものでした。失礼いたしました。
藤花図も枝の部分は一筆描き?かと思うくらい、あっさりしていますが同じ刷毛で微妙な違いを一筆でだすというのは、かなり計算されたものらしいです。
けっこう外国の方も観に来ていまして・・思いっきり撮影していたり。海外の美術館は撮影可能らしいですけど、日本のマナーは守るべきかなと思う次第。英語が通じるという保証もないので、誰も注意できないところが情けない(英語が話せる訳ではないですが)。
この展示は18日までやっています。
一階の展示室を観たあと、庭園へ。
↑ちょっと石段を下っていくと、本物の燕子花が。
眼がチカチカするくらい、紫が鮮やかです。後ろのモミジ?カエデ?もけっこう赤い。
アヤメは乾いた土に、燕子花や菖蒲は湿ったところに育つのだそう。
↑亀?が浮いているのか、何か石の上にでも乗っているのか・・。
↑石の中から水が湧き出ているかのようでして、ちょっとした滝みたいになっています。
この起伏のある庭園は茶室なんかもあったりしまして、南青山だとは思えないくらい自然豊かです。猫もいたりして。
↑藤はもう終わりかけなのかもしれません。
この後、2階の展示室(古代中国の青銅器や茶の湯の道具を展示)をちょっと眺め、ミュージアムショップで買い物をし、美術館をあとに。双羊尊という青銅器をモチーフにしたグッズが何故か沢山売っていました。
おまけ
消化器の標識がちょっと邪魔ですが・・帰りに表参道駅へ向かう途中に見かけた、プラダのビル。こういったビルはカッコいいのですが、耐震性はどうなんだろうと、ちょっと疑ってしまうところもあり・・。
根津美術館の近くにある岡本太郎記念館は最近、リニューアルしたもよう。ちょっと寄ってくればよかったです。
本日はここまで。