先週末のこと。
若冲展へ再び行くのはとっくの昔にあきらめていた自分は再び上野へ。
藝大美術館で開催中の「いま、被災地から -岩手・宮城・福島の美術と震災復興-」展を観に行きました。
ものすごくチャリティーとか復興に関心がある訳ではなく、個人的には松本竣介の絵が目的で行ったのですが・・違った意味で良い展覧会でした。
↑これは館内にあった写真スポット用?の足型。
この展覧会は東日本大震災で被災した東北の美術館や博物館、お寺などの美術品を全国美術館会議が復興対策委員会なるものを立ち上げ、修復・復元活動を行ってきており、その経過報告といった感じのものらしいです。
ただ東北の美術館の作品を集めただけでなく、津波に襲われた美術館から作品を救出した時の写真パネルの展示もありました。特に福島県では作品の線量を測り、移動が可能かどうか確認しなくてはならず、大変だったようです。三重県で修復した作品もあったとか。
津波被害にあった美術館では空調が止まってしまっていたので、とにかくカビの被害もひどかったようです。
入館料は800円。図録とはいかないまでも、35ページくらいのわりとしっかりとした冊子を貰えました。(全ての作品の画像が載っている訳ではありません。)
図録そのものは販売しておらず。
松本竣介と斎藤清のカードを買いました。
斎藤清の版画は以前、テレビか何かで見たことがあるような・・。
素朴な感じがして好きな絵です。
※イラストはイメージです。
カードは売っていなかったと思うのですが、郡山の画家、鎌田正蔵の「鳥が落ちる 86.4.26の記録」という作品が気になりました。
近くにいたおばさん達が「4月26日って何かあったかしら?」とヒソヒソ。
自分も気にはなったものの、よく解らず。
帰ってから調べたところ、1986年4月26日はチェルノブイリ原発事故があった日なのだそう・・・・。
鎌田正蔵は1999年に亡くなっています。何か今回の福島第一原発事故を予言していたかのような、そんな気がします。
この展覧会は6月26日まで。
藝大としては5年ごとにこういった展示を開催する予定らしいです。
美術館の横にあった大きな木。黒いパイプみたいなもので補強が。
このまま帰ろうと思っていたのですが、向かい側の陳列館で「アフガニスタン特別企画展 素心 バーミヤン大仏天井壁画」をやっていたので覗いてきました。
どうやら東京国立博物館で開催中の「黄金のアフガニスタン展」の関連展示らしい・・。
無料だったからか、美術館よりもずっと混んでいました。
個人的にはよく理解できず。平山郁夫(元・藝大学長)の功績をたたえている感じの展示でした。
藝大をあとにしまして・・
若冲展(この時はまだ開催中)の列が奏楽堂(工事中)のほうまで延びていました。
行列についていろいろ言われてましたが、時間指定や整理券を配るとそれなりに問題があるそうです。都美術館のスタッフは日傘を貸したり、水を配ったり・・頑張っていたのに。
※太線が行列。もっと行列が延びている日もあったそうです。
若冲展はチャリティーというか、収益を寄付するような試みがあってもよかったのではないかと思うのですけど。宮内庁所蔵の作品もある訳だし。
↑上野の森に咲いていたハナミズキ。
↑アジサイも咲いていました。
公園入口に佇む、蛙も元気そう・・。
そういえばBS日テレ「ぶらぶら美術・博物館」の中で山田五郎さんが
「若冲は蛙(を描くこと)が下手。絶対に蛙と蛇が嫌いだったと思う」と
言っていたな・・・。
本日はここまで。