先週末、豊島区立・熊谷守一美術館へ行ってきました。
有楽町線の要町(かなめちょう)駅にて下車、歩くこと10分弱。
住宅街のなかに美術館は存在します。
先日、テレビ(NHK・日曜美術館)でちょっと紹介されたので、もう少し落ち着いてから来ようと思っていたのですが・・「開館29周年展」を開催中とのことだったので、行ってみた次第。
通常は1・2階が熊谷作品の展示スペースで3階が貸ギャラリーなのですが、この時は記念展開催中のため3階にも書や線画の熊谷作品が展示されていました。
館長は熊谷守一の次女・榧(かや)さん。
榧さんは先日、日曜美術館にもちょっと出演されていました。
部分的にピンクに染めていた髪が印象的な方。
↑この美術館、実に解りづらい場所にあります。しかし・・小さめの小学校の角を曲がり、住宅街に入ったあたりから、あちこちに案内板が。とっても親切。
熊谷守一はこの地に亡くなるまで住んでいたとのこと。
美術館として開館したのは昭和60年、豊島区立になったのは2007年から。
後日、たまたま調剤薬局で待っている間に読んだ、私設美術館に関する本によると、
当初、区から美術館創設の話があったけれども、朝倉彫塑館のようにアトリエをそのまま残す、ということだったので榧さんは断ったのだとか。作品だけが残っていればよいと思い、全面的に建て替えて私設美術館として開館。
その後、作品を豊島区に寄贈するという形で豊島区立になったよう。
法律的に叶わなかったのか、80坪なかったので庭は残せなかったらしいです。
3階建てのこの美術館、見た感じエレベーターは無く、バリアフリーには対応してなさそうで残念。内部はコンクリート打ちっぱなし、というよりはブロック塀のような壁で統一されています。
↑購入したポストカード。ここの美術館所蔵の作品。
手前の黒い楕円の作品は「仏前」というタイトルです。
↑これは愛知県立美術館所蔵の作品。
今回の企画展のために、愛知県立美術館やメナード美術館(愛知県)から何点か作品を借りたもよう。
熊谷守一は猫や昆虫の絵が多いようですが、個人的に好きなのは「縁側」という作品。
↑ポストカードになっていなかったので、記憶だけで描いてみました。本物はもちろんカラーですが、イメージとしてはこんな感じです。床の線は無かったかもしれません。。
物干し竿が布団?を突き抜けていない感じとか、黄色い麦わら帽子が無造作に置いてある感じに、なんとなく臨場感を覚えたというか、懐かしいというか・・。麦わら帽子と一緒に置いてある物は何?と思っていたら、どうやら足袋らしいです。
↑どうやらこの本の裏表紙らしいです。自分も買おう・・。
1階には熊谷守一が使用していたイーゼルやパレット、遊んで弾いていたチェロなんかも。3階にあった書の作品はけっこう晩年のものも多く、「九十○才 クマガイモリカズ」といったふうに年齢と共にサインしてあったり。書は亡くなる一か月前まで書いていたそうです。
全ての作品を見終え、1階のcafe Kayaで、せっかくなので企画展メニューの、くるみケーキセットを頼んでみました。
榧さんの名前の由来は解りませんが・・榧というのは高級な将棋盤の素材に使われたりする希少な木なんだそう。
↑スポンジは固めですが、くるみの食感を楽しめるケーキです。
食器も手作り感たっぷり。
ケーキを楽しんでいたら、窓の外に榧さんが歩いているのが見えたり。
カフェは椅子が沢山あるのですが・・なぜかテーブルが4つしかないので必然的に4組しか入れず。3分ほど待って入店。
↑貰ったリーフレットやチケットなど。
キャンソン紙に黄緑一色で印刷されたイラストはカフェにて出されたもの。
↑これは外の壁。
↑これは建物側面のかなり上のほう。うっかりしていると気が付かないかも。。
「開館29周年展」は22日で終了。
ですが開館記念展はどうやら毎年開催しているよう。
常設展に戻っても充分楽しめそうな感じはするので、今度は誰か誘ってみよう・・。
本日はここまで。